本記事では、免許を取っていない人でもボートが操縦できる(一部の水域で)、という話をします。免許を取っていないとは、無資格、無免許のことです。つまり、これから独学でボート免許を取得しようという方も含まれます。
「えっ、資格がないのに操縦してもいいの?」と驚かれるかもしれませんが、
- ボートでは一部の水域では免許を持っている人しか操縦してはいけませんが、それ以外では免許・資格を持っていない人でも操縦できます。
- 水上バイクはどこであっても免許を持っている人しか操縦してはいけません。
「小型船舶操縦士制度 – 国土交通省」の一部を引用します。
③小型船舶操縦者が遵守すべき事項の明確化
● 酒酔い等による操縦の禁止
飲酒、薬物、病気、過労等の影響により、注意力や判断力等が著しく低下しているなど、正常な操縦ができないおそれがある状態で、小型船舶を操縦することを禁止しました。
● 有資格者による自己操縦
次の場合は、原則として、免許受有者以外の操縦はできません。
・水上オートバイを操縦する場合(全ての水域)
・ボートについては、港則法の港内及び海上交通安全法の航路内を航行する場合
なお、次の場合は自己操縦の対象外となります。
・帆走中のヨット
・漁船、旅客船、遊漁船、工事船等の事業用小型船舶
・試験機関の試験員、登録小型船舶教習所の実技教官が操船指揮する場合
・地方運輸局長等が小型船舶の航行の安全中支障がないと認めた場合
・免許受有者の負傷、その他やむを得ない理由がある場合
YouTubeで小学生ぐらいの子供がおじいちゃんのボート(クルーザー?)を操縦するのを見たことがありますが、違法ではないんですね。
目次
小型船舶操縦士免許を持っていなくても操縦できる水域
前述の国土交通省(中国管区)のHPにあるように、以下の水域では免許を持っている人しかボートを操縦してはいけません。
- 港の中(港則法の港内)
- 航路(海上交通安全法の航路内)
つまり、これ以外では小型船舶操縦士免許を持っていなくても操縦できます。
「港」ってどこからどこまで?
港がどこからどこまでか、というのは港ごとに決められています。
例えば、
に記載されています。知りたい港の名前+”港域”でgoogle検索してみてください。
「航路」ってどこ?
航路とは、東京湾などの船舶の交通量が多いところで船舶航行の安全を保つために、本船と呼ばれる大きな船が航行する領域を決めたものです。基本的に船は右側通行ですが、「できるだけ航路の中央より右側を航行する」といったルールがあります。
詳しくはWikipedia「海上交通安全法別表に掲げる航路」を参考にしてください。
ちなみに、小型船舶免許で操縦できるボート・クルーザーは航路を航行しなくても構いません。どちらかと言えば、航路にはできるだけ近づかないようにした方がよさそうです。というのも、もし航路上でボートのエンジンが止まったりして立ち往生しても、大型船は簡単には回避できないからです。東京湾や瀬戸内海でも航路を横切る必要が出てくる場合は仕方ないですが、しっかり見張りをしながら、最短距離で航路を横切るようにしましょう。
スクールに行かなくてもボートを操縦できる
さて、このようのボートの免許を持っていなくても操縦できる水域があると理解してもらえたと思います。なので、独学でボート免許を取ろうという人は、ボート免許を持っている知人がいたら操縦の練習ができるチャンスがあります。その知人がボートを持っていなくても大丈夫。
そう、その知人にレンタルボートを借りてもらって、港を出てから操船の練習ができるのです。ただし、その知人がペーパー船長なら、トラブルが生じたときに対処できないのでやめときましょう。車の仮免許とは違い、海での事故は死につながることも多いので、無理強いはいけません。操船経験のある知人を探してください。
そういう知人がいなければ、私のようにひたすらボート免許の教材DVDを見て、イメージトレーニングを繰り返しましょう。何とかなるもんです。
レンタルボート
レンタルボートはあちこちにありますが、個人的には以下に分類できると考えています。
- 入会金・月会費がいるところ
- ヤマハのSea Styleなど
- 入会金・月会費がいらないところ
- プレジャーボート
- 釣りボート
ヤマハのシースタイルはチェーン展開していて、会員になれば全国あちこちでボートが借りれますが、入会金や毎月の会費が必要です。
レンタルボート「瀬戸内海で遊ぼう」
入会金や会費が必要のないレンタルボートもいろいろあり、私が唯一利用したことがあるのがのレンタルボートです。「瀬戸内海で遊ぼう」は岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓3900付近の県営牛窓桟橋から出航することになります。牛窓は日本のエーゲ海と呼ばれるところで、目の前に小豆島が見えます。
フィッシングボート
さらに、琵琶湖やバスフィッシングが盛んな湖で釣りボートのレンタルがありますし、海もレンタルボートショップがあちこちにありますので、ご近所を探してみましょう。
ただし、釣りボートのレンタルはティラーハンドル(船外機にバーハンドルがついたタイプ)ではなく、ステアリングホイールの船を借りましょう。