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電気工事士の資格
電気工事士の資格は、自宅(戸建て・マンション)・事務所・店舗・工場・その他ありとあらゆる建物にある電気設備を扱うための資格で、国家試験に合格した人に免状が発行されます。
よく「自分の家のコンセントを交換するなどの電気工事は自己責任でやってもよい」という誤った認識がありますが、たとえ自己所有の建物であっても、有資格者しか工事をしてはいけません(以前私は管轄の経済産業省に質問して確認したので間違いありません。疑問に思われる方はご自分で問い合わせてみてください。経産省のホームページから気軽に質問できます)。
資格の種類
電気工事士の資格は以下の種類があります。
- 第一種電気工事士(ネオンや非常用予備発電装置は特殊電気工事資格が別途必要)
- 500kW未満の自家用電気工作物(小~中規模までの工場やビル、高圧受電の事務所や店舗)
- 一般用電気工作物(一般家屋、小規模店舗、600V以下で受電する電気設備等)
- 第二種電気工事士
- 一般用電気工作物(一般家屋、小規模店舗、600V以下で受電する電気設備等)
- 認定電気工事従事者
- 500kW未満の自家用電気工作物のうち、電線路を除く600V以下の簡易工事
- 特殊電気工事資格者(ネオン)
- 特殊電気工事資格者(非常用予備発電)
それぞれの資格で工事できる対象が異なります。一般家屋の壁に埋め込まれているコンセントの増設や交換、天井の照明の工事をするには第二種電気工事士の資格があれば大丈夫です。
資格の取り方
私は一応理系エンジニアですが、コンピュータのプログラミングがメインの仕事なので、電気のことはオームの法則のことぐらいしか知りませんでした。
しかし、自宅の改装工事をきっかけに電気設備のことに興味を持ち、自分の家のスイッチ交換や照明器具の交換を自分でしたいと思い、資格を取ることにしました。
第1種電気工事士試験も第2種電気工事士試験も国家試験で、第1種は年間1回、第2種は平成30年度から年間2回受験することが可能です。
第1種と第2種とどちらを受験すべき?
第1種は、試験に合格しても所定の実務経験(3年または5年)の資格を持っていないと免状が交付されません。もし、電気主任技術者(電検)の資格があり、実務経験を積んだ人であれば第1種を受験しましょう。そうでなければ第2種を受験しましょう。第1種の試験に合格しただけでは工事する資格がありません。
私は当初、家庭の電気設備を触るだけなら第2種電気工事士で十分だと思ったのですが、せっかく勉強するし、工具などもそのまま使えるので、第1種電気工事士試験にも挑戦することにしました。
結果はどちらも一発で合格できたのですが、2つの筆記試験と技能試験と合わせて6ヶ月ぐらいかけて準備しました。ただし実務経験がないので、第1種電気工事士の免状は持っておらず、その代わり認定電気工事従事者認定証を持っています。認定電気工事従事者認定証があれば、高圧受電施設の低圧側でも作業でき、活躍できる範囲が広がります。
将来、電気工事に関する仕事に就く可能性があるんだったら第1種電気工事士試験を受ければよいと思います。合格すれば、5年(電気系の学校で単位を取っていれば3年)の実務経験を積んだあとに申請すれば免状をもらえます。
周りに教えてくれる人がいない人や、仕事が忙しいので短期間に集中して受験勉強したいという人は、『【第一種電気工事士 短期合格特別講座】』や『第二種電気工事士 短期合格特別講座』といった講習がおすすめです。筆記試験は本を読んで問題集を解けば力が付きますが、技能試験はきちんと練習しないと合格はまず無理だと思います。
第二種電気工事士の試験
平成30年度からは1年間に2回受験できる国家試験の筆記試験(学科試験)と技能試験の両方に合格すれば、経験がなくても免状がもらえます。
筆記試験(学科試験)
筆記試験の内容は、電気に関する理論・計算・法規・施工に関する規則です。文系の人でも過去問を5年分もやれば合格できるようになるでしょう。最悪、計算問題を全部スキップしても、他の問題で合計60%以上正解すれば合格です。
技能試験
技能試験は筆記試験とは別の日に行われ、筆記試験に合格すれば受験することができます。
技能試験は電気工事士試験専用の圧着工具や、プラスドライバー、マイナスドライバーなどの工具が必要です。よく似た圧着ペンチがありますが流用できないので注意が必要です。Eスリーブと呼ばれるものに銅線を2本以上差し込んで圧着するのですが、圧着したときに着く適切なマークがないと不合格になるので、知人に借りるか購入しましょう。
もし技能試験に合格できなかったとしても、筆記試験が合格すれば次年度は筆記試験免除となり、次年度は技能試験のみに集中できます。
『電気工事士: 技能試験に必要な工具・VVFストリッパーは必須』もご覧ください。VVFストリッパーは試験直前に品薄になることもあるので、早目に購入しましょう。
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第一種電気工事士の資格
年1回受験できる国家試験の学科試験と技能試験に合格するだけではだめで、3年~5年以上の実務経験が必要です(必要な実務経験の年数は、大学で専門科目の単位を取得したり、電気主任技術者の資格があるかどうかで変わります)。
実務経験は、
- 第二種電気工事士としての実務経験
- 認定電気工事従事者としての実務経験
- 電気主任技術者としての実務経験
のいずれでも構いませんが、きちんとした実務経験証明書(事業主のハンコが必要)を役所に提出する必要があります。また、無資格で行った電気工事は実務経験と認められません。
筆記試験も技能試験も第2種電気工事士試験に比べるとグンと難しくなります。
高電圧に関する試験内容はかなり専門的です。どうしても仕事の都合で資格を取らないといけない人は『第一種電気工事士 総合コース【筆記/技能対策】』のような講習を受けて、短期間で受験勉強することも可能です。特に、周りに教えてくれる人がいない場合は、合格するための要点・技術をストレートに教えてもらえるので、ぜひ活用してください。
筆記試験
第2種電気工事士に比べて、高圧を扱うための知識が増えます。また、設備や器具についても日常生活ではほとんどお目にかかれないものが出てくるので、とまどうことも多いです。管理人は第2種電気工事士に続けて第1種も同じ年度内に受験して合格しましたが、期間を開けていたらモチベーションを保てなくて合格できなかったのではないかと思います。
技能試験
第2種電気工事士試験に比べると、使用する部材の種類が増え、施工の内容も少し複雑になります。例えば、KIP線と呼ばれる電線は被膜が分厚く、心線を出すのに時間がかかります。これを十分練習しないと時間のロスになります。
『電気工事士: 技能試験に必要な工具・VVFストリッパーは必須』もご覧ください。VVFストリッパーは試験直前に品薄になることもあるので、早目に購入しましょう。
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認定電気工事従事者の資格
- 第二種電気工事士の資格を取得後
- 講習を受講する
- 3年以上の実務経験を積む
- 第一種電気工事士試験に合格後、申請する(実務経験がなくても、一電工の試験に合格すればよい)